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【お店探訪 ~flat〜】

インザラフのポップアップカフェを経験後、自身のお店を開いた店主を訪ねる「お店探訪」。


今回は、昨年12月、インザラフのすぐ近くの北銀座通りにオープンした【生パスタのお店 flat】をご紹介します。


インザラフでの営業は、2022年11月から約半年間。ファンも多く、人気のお店でした。オープンまでのお話やお店への想いを店主のあべさんご夫妻に伺いました。



入り口の大きな窓が印象的な店内。木のぬくもりが感じられる温かい空間です。窓やドア、壁など、内装はほとんど自分たちで手掛けたのだそう。


「思っていたより大変で、準備に半年かかりました。なかなかオープンしないから、みなさんに大丈夫かなって心配されていましたね(笑)。大工の友だちに手伝ってもらったり、ネットで調べたり。今、YouTubeでやり方がわかったりするので、時間をかければ、自分たちでなんでもできます。もっとできたなと思うところもあるし。処分費もわかっていれば、全部壊してから作り始めてもよかったんじゃないかとか。やってみないとわからないですね」


テーブルひとつひとつにもこだわりが。


「できるだけ既製品のものは使いたくなかったのと、好きなサイズにできるので、全部手作りしました。隣の席が近くて賑やかなお店も好きですが、自分たちの店は、ゆったり食べてもらえるお店にしたかったので、空間に合ったサイズのものにしました」



調理担当は、夫のてつやさん。ホール担当のくみこさんとふたりで、お店をまわしています。実は、おふたりがお店を開くのは2店舗目。6年ほど前、神保町にイタリアンのお店を開いたのが最初でした。


「僕は、その前に有楽町のタリアンの店に勤めていました。そのお店で、新店舗を出すことになって、料理長とふたりでお店のコンセプトを考えたり、内装からメニュー、調理・接客マニュアルづくりまで、一通り経験できたんです。それがきっかけで、自分でも店を持ちたいと思うようになりました」


2018年に神保町にお店をオープン。神保町にしたのは、てつやさんが飲食店でのアルバイト経験がある街だったことが決め手になったといいます。


「お店をしている人や業者さんとのつながりもあったので、始めるのにはよかったです。有楽町にも近いので、お店のお客さんも来てくれました」


お店が軌道に乗ってきたなと思っていたところに、「コロナ」という、思わぬ事態が。


「神保町はオフィス街なので、まったくお客さんが来なくなりました。店舗の更新の時期も重なったので、やむなく閉店することにしました」


辛い経験をしたものの、やっぱりお店をやりたいと思い続けていたご夫妻。


「コロナが少し落ち着いてきた頃、もう一度お店をやろうと。場所は、住まいのある西荻で考えました。神保町の街は好きでしたが、通勤が大変で。夜営業が中心だったので、閉店後に終電に駆け込んだり、泊まり込むことも多かったり。だから、近い場所で探しました」


店舗物件を探していたところ、南口にあるレンタルキッチンスペース「manana」さんと出会い、営業することに。5ヶ月間、腕を鈍らせないようにとトライしたのがよかったと言います。


「神保町では乾麺を使っていたのですが、新しいお店では生麺を使いたかったので、ソースの調整をすることもできて、いい経験になりました。気に入ってくれたお客さんもできて、うれしかったですね」


「manana」さんでの営業期限が切れるタイミングで、インザラフのポップアップカフェに移転。物件が見つかるまで、週1回の営業を続けていました。


中断しながらも、諦めずに続けてきたことが大きな力となり、新店舗オープンにつながったのかもしれません。



【flat】のこだわりは、なんといっても「麺」。


使っているのは、栃木県の中沢製麺より取り寄せている「低加水パスタフレスカ トンナレッリ」、通称「カラヒグ麺」。モチモチとした食感で、「生パスタ」とも「中華麺」とも一味違う生麺がソースに絡まり、ずっと食べていたくなるおいしさです。


「料理は、有楽町のお店の料理長に教えてもらいました。師匠ですね。料理長はあれこれ入れず、シンプルに作る人で、その味が好きで、忠実に守っているような感じです。先日、師匠がこの店にも来てくれて、『おいしかったって』言ってくれました。すごくうれしいですね」


もうひとつ、特徴ともいえるのが、ランチセットにもついてくる「自家製くるみパン」。


「料理長の先輩がやっているパン屋さんのパンがおいしくて、作り方を教えてもらいました。神保町の頃からあるんですが、くるみパンを出してるお店はあんまりなくて、珍しいみたいですね。この間、たまたま神保町のお店を知っているお客さんがいらしたんです。『くるみパンのお代わりってメニューにあったから、もしかして?』って。店名ではなく、メニューで記憶に残っていたというのはうれしいですね」



オープンから2ヶ月あまり。客足は上々で、土日のランチは満席になることも多いそう。


「最初の3日間くらいは大変でした。失敗して作り直したり、時間もすごくかかったし。毎日、少しずつ道具や材料の配置を変えたり、手際がよくなるところを探っていきました。基本的に、お客さんを待たせたくないので、時間がかかりそうなときは、入店前に説明して、大丈夫な人にだけ入ってもらっています」


「おかげさまで、リピーターの方も多くなってきました。夜食べて、次の日のお昼にもくる方がいたり。気に入ってもらえてるのかなと思っています。わざわざ僕に『おいしかった』って言ってくる方も多くて、ほんとに美味しいと思ってくれたんだなと、うれしいですね。今は、看板メニューを開発中です。どれもおいしいと言ってもらえる自信はありますが、人を惹きつけるもの、入店のきっかけになるような看板商品を作りたいなと思っています」



神保町時代から変わらないのが、店名の【flat】。誰でも、ふらっと立ち寄れるような店にしたいという想いが込められています。


「夜もひとりで気軽に食べにきてもらいたいですね。西荻の夜は、飲み屋さんのイメージが強いのかもしれませんが、パスタだけいいので食べにきてもらえるといいですね。親子で食べにくる方も増えてきました。もちろん、コーヒーだけでも」


西荻は大好きな街だというご夫妻。そんな西荻でお店が開けたことが嬉しいといいます。


「自宅から近いというのが一番ですが、続けていくためには大切なことかなと思います。西荻は飲食店がいっぱいあって、なんでも食べれられるのもいいですね。イタリアンも多いですが、パスタ専門店はあまりないようなので、お客さんがきてくれるとうれしいですね」


自宅でも、てつやさんが料理担当というご夫妻。おいしいものが好きだから、みんなにもおいしいものを食べてもらいたい、そんなふたりの思いが詰まったお店です。


ぜひふらっと、食べにお出かけください。


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【flat】

杉並区西荻北3-42-13 西荻窪永谷マンション1階

営業時間

ランチタイム 11:30〜16:00(L.O.15:00)

ディナータイム 18:00〜22:00(L.O.21:00)

定休日:水曜・木曜

※営業の詳細は【flat】のSNSでご確認ください

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